▲zoomでのオンラインインタビューの様子
生産管理と鮮魚出荷だね。
生産管理はね、とにかく緻密に計算する仕事。例えば、このくらいの原料でこのサイズの製品が何％出てきて、このくらいの人数かけて何時に終わるから、次の仕事でフリーザーかけるのに何分で何人でしょ…って。細かいでしょ？もう全て計算してくんのよ。
それに加えて行動も計算するの。これひとつ処理するのに何秒かかりますか、じゃあ１個やるのに５秒でやってくださいね、じゃあ100個やるのに何秒かかりますか、500秒ですね、っていう計算。計算通りに作業が終わんない時は、なんで終わんなかったの？ってその原因を追究して、解決策を出してじゃあ次はできるよねって。まあそういう風に…矯正してくっていう。
というのも、当然最初にうちらがする仕事って、原料仕入れて、お客さんに単価このくらいで出来ます、キロ単位いくらですよって言うことなのよ。当初よりも加工賃かかったりすると会社損するでしょ？
だからそうなんないように適正な処理をさせるっていう。損しないようにさせるっていう役割かな。
それに比べて全然鮮魚（出荷）は細かくないのよ。
魚どーんって買って、箱にどーんって入れて、そのままどーんって出荷するっていう（笑）魚の買い付けは早い人だと６時くらいに魚市場に来てて、７時くらいからかな、入札が始まるのは。そこで大体何がどんだけあるのだとかこの魚が何十トンあるだとか分かって、そうすると「あ、これ社長買うんじゃねえかな」ってのをこっちは予想を立てんのよ。でも浜のことだから、当日にならないとわかんないのよ、何があがるっていうのが。雨降ってどうのこうのとか、潮の流れがどうのこうのとかがあるから…。あとは潮の満ち引き。ほら満月とかそういうのも含めて魚って動いているから。加工も一緒なのさ。予定は組むんだけどさ、魚いっぱい買われると、魚処理しなくちゃいけなくなって予定が大きく変わるの。だから毎日どきどきしながら朝来る（笑）
▲魚市場の様子
みんな印象には残ってるんだけど、やっぱり個々でね、違うのよ、持ってるものだったり、得意不得意が。印象に残ってること…？
楽しいことしか印象に残ってねえけど…。え～、なんだろ、何それ？（笑）
いや、驚くよ。まず、この地元に残ってる人たちってね、あんまり将来にね期待してないのよ。
今若い人たちちょっとまあ何人か入ってきてはいるんだけど、将来ああなりたいこうなりたいとかっていった夢がなくて。
とりあえず漠然と仕事をしてるんだけど。やっぱりインターンで来る子って、将来ああなりたいこうなりたいとか、１ヶ月でなんかやってやる！とか思ってくるからモチベーション高いよね。そういうところが全然会ったことねえなっていうのはいっつも思う。インターン生皆それぞれ色々あったけど『やりきったー！』『すごくよかったー！』ってすっきりした顔で帰って行くんだよね。『あー感動するんだ』って驚いた。
…早坂さん感動する？普段。
いや多分ね。もっともっとね湧いてくるんだと思う、感動が。この１ヶ月って結構長いから。親元離れて１ヶ月、全然知らない町にみんなポンって来て、そこで何すんのかわからない状態から始まって、最終的にものつくってお客さんのとこにプレゼンして、成功してるのか失敗してるのかわかんねえけど、でもやりきったっていうさ、その感動ってなかなか味わえないんじゃないかな。
俺の中ではなんかね、多分ライブ行ってワーーーって騒いだ後ワーーーってなるような、そういう感じかな（笑）
感動より興奮に近いのかな、きっと。
うちらってその、なんだろ、物を出荷して誰かに物を売るじゃん、そこで形としては完結するんだけど、実際現場で働いてる人たちっていうのは、同じものをずーっと永遠に作ってるのよ。要は終わりがない。で、同じことばっかやってる。だから楽しくないのよ、全然。それがなんか可哀想だなって思う。俺とか社長とかは営業とかで電話で話したりとか、一緒に出張したりとかで外の世界と関わりが持てるんだけど、みんなはそうじゃなくて。朝起きて会社来て、へとへとなるまで仕事して、17時に終わって家に帰って、ご飯食べて寝るっていう、これの繰り返し。何か楽しいことあるの？っていってもあんまみんなないのよ。大船渡のこの町って遊ぶところもないし楽しくない町なの。酒飲むにしても田舎だから町に行くとしても車で30分かかるの。だからなかなか飲みにいけないとかね。だから今若い子たちの力で、なんか仕事って楽しいなって風に思わせてほしい。「この会社に入って良かったな」って思ってもらえるようになって、なんかただ働かせるんじゃなくて、もっと人生楽しいよって幸せになってほしいなって思う。俺には今何にも思いつかないけど、インターン生でそういうきっかけ起こせないかなって思うね。
記事作成：第８期インターン生 早坂愛湖
